ChatGPT広告の配信が始まってから数カ月。
広告管理画面の機能追加やアップデートが続くなか、2026年10月26日新たに「複数画像広告(Multiple images)」がオープンβとして追加されました。
従来の画像1枚を使った広告とは異なり、最大6枚の画像を組み合わせて訴求できる新しいフォーマットとなります。
今回は実際にBtoB領域の広告案件で新フォーマットを入稿・配信。その仕様や表示イメージを紹介するとともに、従来の広告との違いや配信開始後に見られた変化について解説します。
※なお、今回の配信は検証を継続している段階のため、広告効果については初期の傾向を中心に紹介します。
ChatGPT広告に「複数画像」の新フォーマットが追加
2026年10月26日、OpenAIは広告管理画面「Ads Manager Beta」において、複数画像を使用できる広告フォーマットの提供を開始しました。
これまでのChatGPT広告では、基本的に1枚の画像と見出し・説明文を組み合わせた広告形式が採用されていました。新たに追加された複数画像広告では、4〜6枚の画像を入稿でき、ひとつの広告で複数のビジュアルを表示できるようになりました。
例えば製品の特徴を異なる角度から紹介したり、サービスの利用シーンや制作実績を並べたりといった表現が可能になります。
今回のアップデートと同時期には、広告クリエイティブの自動拡張や入札機能などにも変更が加えられていますが、本記事では複数画像広告に焦点を当てて紹介します。
単に画像の枚数が増えただけではなく、ChatGPTの会話画面における広告の見せ方そのものが変わった点が、今回のアップデートの特徴です。
▼従来の1枚型バナーの広告表示イメージ

▼新フォーマット「複数画像」の広告表示イメージ

複数画像広告の仕様と、従来の広告との違い
まずは、OpenAIが公開している公式情報と実際の管理画面から確認できた仕様を整理しておきます。
| 項目 | 複数画像広告の仕様 |
|---|---|
| 画像枚数 | 4〜6枚 |
| 画像比率 | 1:1(正方形) |
| 広告見出し | 広告全体で1つ |
| 説明文 | 広告全体で1つ |
| リンク先URL | 広告全体で1つ |
| 画像のクリック | 各画像から共通URLへ遷移 |
| CTA | 「詳細を見る(Learn more)」 |
| 対応する広告目的 | Reach / Clicks / Conversions |
| 提供状況 | オープンβ |
出典:OpenAI「Creating ads for ChatGPT Ads」(2026年10月更新)
重要なのは画像を複数設定できても、画像ごとに見出しやリンク先を個別設定できるわけではないという点です。
例えば、5枚の画像でそれぞれ異なる商品を紹介しても、クリックした際の遷移先は共通となります。
そのため、ECサイトのように商品ごとに異なるリンク先を設定する一般的なカルーセル広告とは、設計の考え方が異なります。
また、今回確認した入稿画面では画像のトリミングによる調整はできず、事前に正方形のクリエイティブを用意する必要がありました。
ChatGPTの回答画面ではどう表示される?実際の広告イメージ
今回の新フォーマットで特に注目したいのが、ChatGPTの会話画面上での表示方法です。
従来の広告では、比較的小さな画像と広告文を組み合わせた表示が中心でした。
一方、複数画像広告では、画像が横方向に並ぶことで、視覚的な訴求の幅が広がっています。

※実際の表示構成を参考に作成したイメージ画像です。広告内容および広告主名は架空のもので、OpenAI公式の広告事例ではありません。
実機で確認したところ、通常のChatGPTの回答の下部に設けられた広告枠に、新しい複数画像広告が表示されていました。
PC画面では、正方形の画像が横一列に配置され、画面幅によっては右端の画像が途中まで見える構成です。
ユーザーは横方向にスクロールすることで、続きの画像を閲覧できます。
実際に入稿してみた|4枚~6枚の画像をどう設計するか
今回WorXUPでは運用中のBtoB領域の広告案件で複数画像広告を作成しました。
入稿にあたって意識したのは、単純に複数の訴求を一気に詰め込まないことです。
1枚目だけで広告の内容が伝わる構成に
複数画像広告とはいえすべての画像がユーザーに閲覧されるとは限りません。
そこで1枚目にはサービスの内容やメリットが端的に伝わるクリエイティブを配置しました。
2枚目以降は、サービスの特徴や制作物のイメージなど、ビジュアルで理解できる素材を使用。
今回の構成は以下のような考え方です。
| 画像 | 役割 | 設計方針 |
|---|---|---|
| 1枚目 | メイン訴求 | 何の広告かを明確に伝える |
| 2枚目 | 具体例① | ビジュアルで特徴を示す |
| 3枚目 | 具体例② | 別の角度から魅力を伝える |
| 4枚目 | 具体例③ | 実績やサービスの幅を示す |
| 5枚目~6枚目 | まとめ | サービスの価値を再提示する |
また、画像内に文字を入れすぎないことも意識しました。
文字による訴求は主に最初と最後の画像に限定し、中間の画像はビジュアルを中心に構成しています。
料金や詳細なサービス条件などは、広告の説明文や遷移先のランディングページに役割を分けました。
10月29日に入稿、翌日から配信開始
今回の複数画像広告は10月29日に入稿し、審査を経て翌日から配信が始まりました。
ただし、配信開始直後から十分な表示回数が得られたわけではありません。
新しい広告が一定の配信規模に達するまでには、数営業日を要しました。
従来の広告では配信開始後すぐに一定の表示回数が発生したケースもあったため、今回の立ち上がり方には違いが見られました。
もちろん、新フォーマット特有の挙動かどうかは現時点では判断できません。
ただ、短期間での検証を予定している場合には、入稿や広告差し替えのタイミングに余裕を持たせる必要がありそうです。
配信してわかったこと|従来の広告との違いと気になる挙動
ここからは、実際に複数画像広告を配信した際に確認できた傾向を紹介します。
なお、現時点では検証期間が短く、広告フォーマット以外の配信条件による影響も考えられます。そのため、以下は確定的な広告効果ではなく、初期段階の観測結果としてご覧ください。
現時点でのクリック率は1枚動画と比較して低め
今回の配信では、複数画像広告のクリック率が、従来の1枚画像広告よりも低めに推移しています。
一方、クリック後のユーザーの滞在状況やサイト内の回遊については、従来の広告と同等、あるいはそれ以上の傾向が見られました。
画像による情報量が増えたことで、広告をクリックする前にサービス内容をある程度理解できている可能性も考えられます。
ただし、これを複数画像広告の効果と結論づけるには、さらに検証が必要です。
今後は、単純なクリック率だけでなく、流入後の行動やコンバージョンまで含めて評価していきたいと考えています。
AIの回答内容によって、広告の受け取られ方が変わる
実機で広告表示を確認するなかで、特に気になったのがChatGPT自身の回答内容との関係です。
例えば、デザイン制作に関する質問に対して、AIが外注先やサービスを比較するケースがあります。
一方、同じような質問でも、AIツールを使って自分で制作する方法を詳しく解説するケースもあります。
いずれの場合も、回答の下部に広告が表示される可能性があります。
つまり、ユーザーが広告に接触する時点で、すでにAIから複数の選択肢や具体的な解決方法を提示されていることになります。
ここは従来の検索広告と大きく異なる点です。
検索広告では、検索結果を見ながらユーザーが比較検討を進めます。
一方、ChatGPTでは、広告に接触する前にAIとの会話を通じて情報収集や比較検討が進んでいる可能性があります。
なお、ChatGPTの広告はAIの回答とは独立しており、広告主が回答内容を変更できるわけではありません。
そのため、広告の表示回数だけではなく、どのような回答の後に広告が表示され、ユーザーがどう行動するのかが重要な検証ポイントになります。
複数画像広告は使うべき?現時点での評価と今後の検証
今回の検証を通じて、複数画像広告には従来の1枚画像広告とは異なる活用の可能性を感じています。
特に相性が良さそうなのは、画像そのものが商品やサービスの価値を伝える商材です。
例えば、デザイン制作やWeb制作、商品パッケージ、インテリアなどでは、複数の事例や利用シーンを並べることが効果的かもしれません。
また、ひとつの画像では説明しきれないサービスの工程や特徴を段階的に紹介する用途にも向いているでしょう。
一方、シンプルなメッセージで訴求できる商材や、クリック単価を重視する運用では、従来の1枚画像広告と慎重に比較する必要がありそうです。
今後は画像の並び順や訴求内容も検証
今回の配信では、複数画像をひとつのストーリーとして設計しましたが、今後は以下の点も検証していく予定です。
- 画像の並び順を変えることで、クリック率や流入品質に違いが出るか
- 1枚目だけでサービス内容が伝わる構成は効果的か
- 隣接する相談文脈に合わせたクリエイティブによって、配信結果が変わるか
- 従来の1枚画像広告と比較して、最終的なコンバージョンにどのような違いがあるか
ChatGPT広告は、現在も機能追加や仕様変更が続いている広告媒体です。
今回の複数画像広告についても、まだ最適な活用方法が確立されているとはいえません。
ただ、実際に入稿・配信してみると、単純に画像の枚数を増やすだけでは十分ではないことが見えてきました。
広告で伝えたいことを明確にし、AIとの会話の流れのなかで、ユーザーが理解しやすい形に設計すること。
新しいフォーマットだからこそ、こうした基本的な広告設計の重要性が、これまで以上に問われるのかもしれません。
WorXUPでは引き続き運用を継続し、新フォーマットの効果や配信の変化について検証していきます。
なお、同時期に導入された「クリエイティブ自動拡張」や「目標CPA・目標CPC」などの機能についても、別の記事で取り上げる予定です。
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