新たな流行SNS?韓国発SNSアプリ「Setlog(セットログ)」とは?

Group chat app icon with five smiling cartoon people in a circle and a heart notification

「Setlog」というアプリをご存じでしょうか。

韓国発のSNSアプリで、友達同士で短い動画を撮り溜めておき、1日の終わりにVlogのような動画としてまとめられるサービスです。最近、韓国の若者やK-POPファンを中心に注目を集め、日本でも若年層の間で話題になり始めていると言われています。

Setlogが注目されている背景には、単なるアプリの流行だけではなく、若年層のコミュニケーションやコンテンツの楽しみ方の変化が表れているように感じます。

Instagramのようにきれいに整えた写真を投稿する文化、TikTokのように編集された動画を楽しむ文化が広がる一方で、Setlogでは友達との何気ない日常を短い動画として残し、共有することが重視されています。

つまり、Setlogの流行は「次に流行るSNSは何か」という話にとどまりません。

若年層が何に価値を感じ、どのような体験を記録し、どのように友達と共有したいと考えているのか。そのヒントとして、ビジネスパーソンにとっても見ておきたいトレンドのひとつと言えそうです。

目次

Setlogとは何か?友達と1日を記録する“Vlog共有アプリ”

Setlogは、友達同士でグループを作り、日常の短い動画を撮影して共有するアプリです。撮影された動画は、1日の終わりに縦型のVlogのような形式でまとめられます。

特徴的なのは、単に動画を投稿するSNSではなく、「友達と一緒に1日を記録する」という体験に近い点です。

例えば学校へ行く途中、休み時間、カフェで過ごす時間、部活やイベントの後、友達との食事など、普段であれば流れていってしまう何気ない場面を、短い動画として残していきます。

Setlogと他SNSの違い

近いサービスとして、BeRealを思い浮かべる方もいるかもしれません。

BeRealは、通知が届いたタイミングでその瞬間の写真を共有するアプリとして話題になりました。一方、Setlogは写真ではなく短い動画を積み重ね、1日の流れをVlogのように残せる点が異なります。

また、TikTokのように不特定多数へ向けて拡散することを前提にした動画投稿とも少し違います。Setlogは、どちらかと言えば「友達との日常を記録する」「後から見返せる思い出を作る」という使われ方に近いアプリです。

この“投稿するSNS”というより“友達と記録するアプリ”に近い感覚が、若年層に受け入れられている理由のひとつかもしれません。

実際にどれくらい流行っているのか?ランキングとDL数から見るSetlogの急伸

Setlogは、単にSNS上で少し話題になっているだけではなく、アプリランキングやダウンロード数の面でも存在感を高めています。

参照ポイント広がり
日本のApp Store無料iPhoneアプリランキングで1位に表示
Appfiguresアプリランキングソーシャルネットワークカテゴリで1位に表示 
韓国Apple App Storeで3位、SNSカテゴリでも上位化
ダウンロード数2026年5月だけで200万DL超 ※Appfiguresのデータ調べ
拡散要因SEVENTEEN、aespaのKarinaなどK-POPスターの利用が話題化
利用文脈Gen Z/Gen Alphaを中心に、友達同士の日常共有アプリとして広がる
※2026年6月2日時点

運営会社はどこ?Setlogを手がけるNew Chat Inc.について

Setlogを運営しているのは、韓国発のスタートアップ New Chat Inc.となります。

App Store上では、Setlogの販売元・Sellerとして New Chat Inc.、Developerとして new chat が表示されており、公式サイトには「뉴챗(New Chat Inc.)」、法人所在地は New York & Seoulとなっています。

なお、日本法人の設立、日本国内オフィスなどは現時点で確認は出来ませんでした。

なぜSetlogは若者に刺さっているのか

Setlogが若年層に広がっている背景には、いくつかの要因が考えられます。

K-POPを起点とした拡散力

韓国発のアプリやサービスは、K-POP、韓国コスメ、ファッション、カフェ文化などと同じように、日本の若年層にも広がりやすい傾向があります。特に、人気アーティストやインフルエンサーが利用すると、その使い方自体がファンの間で一気に共有されます。

Setlogも、K-POPスターが利用したことをきっかけに注目度が高まったとされています。単にアプリの機能が便利だから広がるというより、「好きなアーティストが使っている」「同じような動画を作ってみたい」という感情が、利用のきっかけになっていると考えられます。

“盛るSNS”疲れ

Instagramでは、見栄えの良い写真や統一感のある投稿が重視されます。TikTokでも、テンポの良い編集や流行の音源、見せ方の工夫が求められます。もちろん、それらはSNSの楽しさでもありますが、一方で、投稿する側にとっては「ちゃんと作らなければいけない」という負担にもなります。

その点、Setlogで共有されるのは、短く、何気なく、少し雑な日常です。

完璧に整えられた投稿ではなく、友達と過ごしている空気感や、その日の何でもない一場面が残ります。この“作り込みすぎない感じ”が、若年層にとって心地よいのではないでしょうか。

SNSでありながら思い出づくりに近いこと

Setlogは、誰かに見せるためだけの投稿ではなく、友達同士で1日を記録し、後から見返すためのアルバムのような役割も持っています。

特に中高生や大学生にとって、学校生活、放課後、イベント、旅行、推し活などは、その瞬間にしかない大切な時間です。写真だけでは残しきれない会話の空気や動き、場の雰囲気を、短い動画で気軽に残せることは、Setlogならではの魅力と言えます。

つまりSetlogは、単なる動画アプリではありません。

「友達と一緒に過ごした時間を、自然な形で残せるアプリ」として受け入れられているのです。

ビジネスに関係あるのか?見るべきは“広告媒体”ではなく“行動変化”

では、Setlogの流行はビジネスに関係があるのでしょうか。

現時点で見るべきポイントは、Setlogそのものを広告媒体として活用できるかどうかではありません。むしろ重要なのは、若年層のコンテンツに対する感覚や、情報共有の仕方が変化していることです。

従来のマーケティングでは、企業がきれいに作り込んだ広告や、見栄えの良いクリエイティブを届けることが重視されてきました。もちろん、今でもブランドイメージを高めるうえで、完成度の高いクリエイティブは重要です。

しかし、若年層向けのコミュニケーションでは、それだけでは届きにくくなっている面があります。

企業が一方的に「見せたい情報」を発信するよりも、ユーザー自身が「記録したい」「友達に共有したい」「後から見返したい」と思える体験を設計することが重要になってきています。

ビジネス視点で見ると、Setlogから読み取れる変化は次のように整理できます。

ビジネス視点見るべき変化
マーケティング作り込まれた広告だけでなく、自然な日常感のあるUGCが重要になる
イベント企画参加者自身が記録したくなる体験設計が求められる
店舗・観光写真映えだけでなく、1日の流れで残したくなる体験が価値になる
採用・広報社員や利用者のリアルな日常を自然に見せる発信と相性が良い
ブランドづくり企業が語る魅力より、ユーザーが残したくなる瞬間が信頼につながる

例えば店舗ビジネスであれば「写真を撮りたくなる内装」だけでなく、「友達との時間を動画で残したくなる体験」が重要になります。観光やイベントであれば、会場の見た目だけでなく、移動中、待ち時間、食事、友達との会話まで含めて、1日の思い出として残る設計が求められます。

“映える”から“残したい”へ。コンテンツ価値の変化

Setlogの流行を見ていると、若年層のコンテンツ価値が少しずつ変化していることが見えてきます。

これまでSNSでは、「映える」ことが大きな価値でした。

きれいな写真、目を引く動画、わかりやすい演出、バズりやすい構成。こうした要素は、SNS上で注目を集めるために重要でした。

しかし、Setlogで重視されているのは必ずしも完成度の高さではありません。

むしろ、その場にいた人にしかわからない空気感や友達同士の何気ないやり取り、1日の流れの中で生まれる小さな瞬間に価値があります。

言い換えるとSNSの価値が「人に見せたいもの」から「自分たちで残したいもの」へ広がっているとも言えます。

これは企業のコンテンツづくりにとっても重要な視点です。

企業が発信したい情報と、ユーザーが残したい体験は必ずしも同じではありません。

企業側が商品の機能やサービスの特徴を伝えたいと思っていても、ユーザー側が記録したいのは、その商品やサービスを使っている時間、誰かと過ごしている空気感、そこで生まれた感情かもしれません。

例えばカフェであれば、メニューの写真だけでなく、友達と席に座って話している時間。イベントであれば、ステージだけでなく、会場へ向かう道中や終わった後の余韻。旅行であれば、観光地そのものだけでなく、移動中の会話や予定外の出来事。

こうした“体験の周辺”にこそ、ユーザーが残したくなる価値があります。

Setlogのようなアプリが支持される背景には、若年層がコンテンツを「発信するもの」としてだけでなく、「思い出として残すもの」として捉えていることがあるのではないでしょうか。

Setlogの流行から考えること

Setlogの流行は、単なる若者向けアプリの話ではありません。

そこには、若年層がどのように日常を記録し、友達と共有し、思い出として残しているのかという、コミュニケーションの変化が表れています。

かつてSNSでは、「いかに見栄えよく見せるか」が重視されてきました。しかし今は、それだけではなく、「その場の空気感を残したい」「友達との時間を自然に共有したい」というニーズも強くなっています。

企業にとって重要なのは、Setlogというアプリを単に追いかけることではありません。

その背景にある、若年層の価値観や行動の変化を読み解くことです。

これからのマーケティングでは、企業が伝えたい情報を届けるだけでなく、ユーザー自身が記録したくなる体験、共有したくなる時間、思い出として残したくなる接点をどう設計するかが問われていくのではないでしょうか。

目次