今回は賃貸物件の反響において、“物件名の検索は有効なアプローチなのか”こちら実例とともに最新の物件名検索ユーザーの状況を調査してまいりました。
少しでも不動産賃貸仲介会社様のお役に立てれば幸いです。
| 購読対象業種 | 不動産業界 (賃貸仲介・賃貸管理) |
| この記事でわかること | 賃貸物件名での検索動向 賃貸物件名での取り組み/成果事例 抑えておくべきポイント |
| このような方におすすめです | 賃貸反響をもっと増やしたい ポータルに依存しすぎているため何か対策をしたい 現状施策が頭打ち・自社集客の低下している |
前提:一度は課題に感じられたことがあるのでは無いでしょうか。
多くの不動産賃貸仲介業者様が抱える共通課題
- ポータル依存による集客コストの高騰
→SUUMO・HOME’S・アットホーム掲載費は年々高騰 - 現状施策が頭打ち・自社集客の低下
→競合他社の存在や自社の広告運用やSEOのノウハウがない - 検索の流入は伸び続けているのに未活用
→他社に反響が流れてしまう - 興味はあるが、失敗したくない
→“正しい運用方法”や“正解がわからない”
もっと直接的に賃貸物件の反響を改善する方法は無いのか?
ポータルサイト上では複数社が同じ物件を扱っていることも多く反響が他社へ流れている

そんななか、ポータルサイト以外でのユーザーの行動とは
物件の情報収集のフェーズにおいて少ならず物件名での検索が発生。

出典:アットホーム株式会社 ユーザー動向調査 UNDER30 2025 賃貸編より抜粋 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000642.000051123.html

出典:※賃貸情報サイト『ウチコミ!』入居希望者にアンケート調査より抜粋 https://newscast.jp/smart/news/0459327
事実、ランダムに調査した多くの “物件名” においても、一定の検索行動(回数)が見受けられた。

※月間検索数はGoogleキーワードプランナーより抽出
そこで「物件名」の検索流入の有効性についてWorxUPが独自に検証
| 検証方法 | 「物件名」検索ユーザーは反響に繋がるのか |
| 取組先 | 実際にお取り組みしている賃貸仲介業者様 |
| 対象 | 取り扱い物件約100件 |
| 時期 | 2025年10月~ |
| 方法 | 取り扱い「物件名」で自社サイトへ直接集客するためリスティング広告を採用 |
| 費用 | 検証費用として最大2万円の費用を上限として設定 |
検証にあたりGoogleリスティング広告を活用

取り扱い物件の名称約100件(キーワード)をリスティング広告へ入稿

従来のエリアを中心としたキーワードではなく、物件名ごとに細かく設定

検証のために行った必要となる準備物とチェックポイント
| 不動産賃貸仲介会社様 | WorXUP |
| 反響成果の計測、確認 | リスティング広告のアカウント設定 |
| 対象となる物件名の確認と抽出 | 広告文作成、入稿作業 |
| 反響があった場合のお問い合わせ対応 | 入札調整/配信最適化/除外キーワード設定 |
| 各種ご判断、ご決定 | 成果レポート作成(配信後) |
検証開始

物件名での検証をスタートし、3日目より大きく広告表示数が伸長

Google側での簡単な広告審査なども入る関係で1~2日は様子見となりました。
3日目より大きく物件名での広告表がされる形となり、3日目以降、物件名100件中約40%が広告表示される形となりました。
また、1日あたりの広告表示数も検索キーワード(物件名)に比例して全体で数百回となり、決して大きな数値とはいえないかもしれませんが、ピンポイントに各物件名を探しているユーザーに対して賃貸会社様への流入窓口が開かれた貴重な機会といえるのではないかと思います。
物件名によっては表示できないパターンも発生
| そのキーワード(物件名)で検索がされていないため | Google側の「品質スコア」(関連性)という基準に満たないため |
| Googleで検索されていないキーワード(物件名)はそもそも表示がむずかしい ※Googleの仕様上 | Googleの「品質スコア」という基準に満たないと 表示は難しい ※改善していくことが可能 |
物件名での広告表示が全体の約40%が表示されましたが、物件名によっては表示されないパターンがありました。
大きく上記2点が原因として考えられれます。
1点目はそもそもそのキーワード(物件名)で検索がされていないため、Googleの仕様上、表示対象外という形となり表示が難しいケースとなります。
2点目はGoogleの品質スコアという基準がありキーワードとサイトやページとの関連性が低いと判断される場合があり、そうしたケースは表示が難しい状況となります。ただしこちらに関してはサイトやページを改善する、などすることで改善していくことが可能にはなってきます。
参考:検索キャンペーンの品質スコアについて https://support.google.com/google-ads/answer/6167118?hl=ja
物件名によって大きく各数値は異なるものの一部反響の成果も発生

広告表示できた物件のうち、物件名によって数値は大きく異なり様々な着地となりました。
リスティング広告のクリック単価とは入札制となり、クリック単価は1クリックあたりある程度「●●円で広告を出したい」ということで指定することができます。
ただしこの入札単価が低すぎるとGoogleのロジックによってそもそもあまり表示してくれないというケースも多々あるため、適正な単価の見極めが必要となります。
40~50円あたりでの設定も試してみましたがあまり表示数がでない感覚があったため、本検証において全体130円前後くらいがベースが良いということがわかりました。
クリック単価に関しては上記でも言及した「品質スコア」や「競合他社」にもよって変動する可能性が高いため注意が必要です。
また、実際に物件のお問い合わせにつながった成果も発生しています。(物件名A)
最終的に多くの物件名での検証に成功。反響(お問い合わせ)も発生。

物件名のみで短期間、低予算での検証となりましたが、最終的に実際の反響獲得も発生しました。
(反響獲得数に関しては本記事では恐れ入りますが非公開とさせて頂きます。)
数は決して多くは無いですが物件名から誘導することで問い合わせには繋がるということが改めてわかりました。
より具体的な数値に関しては弊社ウェビナーでも語っておりますのでもしよろしければこちらもご覧ください。
https://mikata-seminar.jp/admin/seminars/713
※不動産賃貸仲介・管理会社さま向けとなります。広告代理店などは対象外となりますので予めご了承ください。
検証まとめ
振り返りとファクト

まず今回の主旨である「物件名」検索へのアプローチですが、
では、費用対効果/反響(問い合わせ)の単価としては、高いのか? 低いのか?

今回この反響、問い合わせの単価として、高いのか、低いのか、というところは重要なポイントかと思います。
賃貸の問い合わせの単価として一般的には3,000円~10,000円と言われていたりします。
そのため、現状の自社でおこなっているポータルや施策の単価がどうなっているか、と比較にもなってくるかと思います。現状と比べてどうなのか、また現状施策と並走することで効果が期待できそうか、という観点が重要なのではないでしょうか。
検証による振り返りと、施策実施にあたり抑えておくべきポイント

改めて物件名の検索ボリューム(検索数)自体は極端に少ない状況となります。
ただその分一定の問い合わせ、内見などの確率は高いともいえますので複数の物件やキーワードを徹底して選別していくことで最大化・最適化していくことが重要です。
次に物件名ピンポイントであっても大手ポータルとの競争は発生します。
そこでしっかりと地元密着型や仲介直営、訴求文言に「公式」「空室確認はこちら」「現地スタッフ対応」など差別化を打ち出すことで、「物件名」検索ユーザーとの距離が縮まり、より反響につながりやすくなる可能性が高くなるといえます。
また、大手、有名ブランドに関しては制限や指摘が入る可能性もあるため、除外しておくことが無難といえます。
最後に物件と広告の整合を取り、なおかつ期待した成果を出していくには管理方法や運用方法が非常に重要となってきます。土日、またリアルタイムでの体制構築は一定必要となります。
まだまだ他社不動産賃貸仲介業者様が積極的に実施できていない理由

本検証の機会で改めてWorXUPでも調査したところ、実は物件名でのアプローチはまだまだ他社不動産賃貸仲介業者様は積極的に実施していません。当然のことながらこの「物件名」でのアプローチ自体は以前から存在しています。ただ実際のところはポータル経由の反響や運用からは変えられない、または物件名で広告に出す管理や工数が割けない、という理由がほとんどのようです。
だからこそ他社との差別化を図るチャンスともいえます。また競合他社も多く成熟した市場では少しの差や違いが勝敗や結果を大きく分けたりします。
また、本検証においてGoogle広告ポリシーが変更となったこともひとつポイントとして挙げられらます。

実は少し前の事ですが、Google広告の商標ポリシーは2023年7月以降、商標権者からの申立て処理が、業界全体への一括制限から、特定の広告主・広告単位での審査に変更されました。なお、商標をキーワードとして使用すること自体は原則制限されず、主に広告文内での競合商標の使用や、誤認を招く表現が制限対象となります。
これにより見方を変えると“物件名による広告出稿” が戦術の選択肢のひとつともいえるようになります。
ルールのなかでどう戦うか、弱肉強食のビジネスの世界において見極めや活用方法は重要なポイントです。
※当然、この変更は「ポリシーの仕組み・対応範囲」が変わったのであって、 他社商標や固有キーワードを自由に使って良い という意味ではなくこれを推奨するものではありません。誤認・不正使用・ブランドなりすまし等は引き続き禁止対象となります。
参照:Googleポリシー https://support.google.com/adspolicy/answer/6118?hl=en-IE
さいごに
本検証では反響数もまだまだ少ないため”勝ち施策”とまでは断定できませんが、業界水準として決して悪い費用対応効果では無いとの認識となります。むしろ良い傾向であり、物件名や訴求方法を中心とした運用面、また内見や成約率も絡めた変数(レバー)で効果改善が可能となるため、戦術の一部に加えることで有効となる可能性が高いといえるのではないでしょうか。
気になるポイント・よくあるご質問
- 地域名+賃貸が王道では無いのか、またそれでは駄目なのか
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地域名+賃貸は王道のアプローチとされておりますが、非常に競合他社も多く、運用の難易度やコスト面でも懸念が発生し最終的な費用対効果が合わない可能性もあります。そのため物件名という敢えて小さく狭い領域ではありますが適切にアプローチすることでリスクを抑えつつ反響の改善や今後の可能性を見出していくことができると考えております。
- 物件名のアプローチによる反響数やコストはどのへんが適正なのか?
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もちろん各社様、状況や考え方はそれぞれかと考えております。そのなかで “現状” と比較して伸びしろや可能性が感じられるか、がポイントだと考えております。大手ポータル経由での反響までのコストが1件あたりどのくらいなのかまたそもそもの母数が伸び悩んでいないか、そうした指標によって変わってくるものと考えます。本検証においては少しでもその比較や参考になれば幸いです。

